Osamu Harada Memorial ”GALLERY INADOU"

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イベントの記録

ギャラリ-概要

原田脩作品集

原田脩

シニア

協力会

アクセス

                                   2011年6月吉日
平成22年度活動報告書

                                   館主 植田義浩

初年度の活動報告と今後の課題

 原田脩記念 ギャラリー稲童、協力会も、発足以来、間もなく1年を迎えようとしています。そこで、会員の皆様に、初年度の協力会の主な活動についてご報告させて頂きます。

【ギャラリー】
 今年度、原田脩の収蔵作品を2度にわたり展示替えをし、現在第3期の常設展を開催中です。昨年8月8日に開館し地元の各新聞・TVで報じられたことと、其の後も多彩なイベントを適時開催した事などにより、来館者数を順調に伸ばす事が出来ました。但し、立地上、厳冬期の来館者対策には課題も残しています。又、11月の展示替え時に10日間開催した「『青いバケツの会』-小倉高校美術部OBと原田脩ゆかりの作家たちー展」は15名の方に力作をご出品頂きました。それに関係する新しい多くのお客様にお越し頂くと共に、懐かしい交流の場にもなりました。

【イベント】
 9月に地元ファンクラブ主催の「尺八とピアノのコラボコンサート」が開催さ れ毎日新聞で紹介されました。同じく9月に、当ギャラリー最大級の催しとなった「観月会」は、男性会員手作りの『いも煮会』、子供達が竹灯篭を手作りした『万灯篭』、その他『お茶会』や『句会』『ピアノ演奏』など多くの会員にご参加頂き多彩な催しが繰り広げられ、感激的なお月見となりました。

 11月にはギャラリーの『開館記念舞台披き』と銘打って「能へのいざない」が開催されました。観世流シテ方の坂口信男師と幸流小鼓方飯田清一師の二人の重要無形文化財総合指定保持者が来演され、親しみやすく楽しい能への世界へと誘ってくれました。断りきれない程の参加希望があり、急遽、観客席を大増設する程の盛況で、この催しは、朝日新聞にも大きく取り上げられました。

 年末には、会員有志による餅つき大会、年始には鏡開きが行われ、来館者にもぜんざいが振る舞われました。

 3月には、生前、瀧と月をこよなく愛した原田脩がおぼろ月(朧月)の3月に逝った事に因みその命日を瀧月忌(ろうげつき)と名付け『瀧月の会』を行う予定で準備を進めました。しかしながら、東日本大震災が起きた為、メールでの呼びかけにとどめ会員有志による墓参の後は、『お茶会』『句会』『石窯開きと手作りピザ体験』をし、故人を偲ぶ事といたしました。

【施 設】
 昨年、本館の7月竣工、8月開館のスケジュールにあわせて5月と6月には多くのボランティアの手で植栽、作庭がすすめられ立派な日本庭園が完成しました。其の後も、剪定、施肥、除草、水やりなどシーズンを通して、地元会員を中心に庭の維持管理活動がなされました。更には、駐車場スペースを拡張するため隣接する竹藪や雑木林を切り拓く一方、茶畑やハーブ畑を作り、収納庫も増設しました。

 また、会員が楽しく快適に過ごせる空間作りの一環として、檜風呂小屋を新設し、原田脩のニックネームである「よ太郎」に因んだ庵『休癒処よ太郎庵』に、囲炉裏部屋や、パンやピザを焼く為の石窯や炭焼き窯、燻製装置なども有志の手で作られました。そして、今も、ますます設備の充実が進められています。

【二年度の課題】
 初年度に引き続き、一人でも多くの方に原田脩の作品を見て頂くことが主眼です。そのためには展示作品の選定や展示方法の改善だけでなく、広報・周知活動の工夫、ギャラリー主催のイベントの充実などの活動を幅広く行ってまいります。会報の充実やホームページの活用なども検討課題です。計画中のイベントとしては、まず9月10日(土)に恒例の観月会を開き、今回は作家・書誌学者の林望先生に「月」について講演をしていただく予定です。

 また、ギャラリーが地元の皆様の創作活動や発表の場として活用され、定着するために展示替えの期間を有効に活用いたします。企画展や舞台を使っての催しを順次計画して参ります。良い催事であれば、一般への会場貸し出しも行ないます。地元の教育委員会への働きかけや、各種創作団体・特に志を同じくする門司港美術研究所との連携などにも取り組んでまいります。

 原田脩の作品を、今後とも末永く最良の状態で保管するための具体的な改善策も講じてまいります。収納庫に適切な温湿度で管理する空調装置を設置することや、展示作品を紫外線から守るため館内に雰囲気作りのための外光は採り入れつつも、作品に害となる紫外線はカットしていく対策などです。更には、もっと多くの作品が見たいという声に対処するため、収蔵する多くの小品油彩や水彩画・デッサン等もスタンド式パネルを新設するなどして、出来るだけ多く展示するよう工夫します。

 地元の皆様に創作活動のスペースを提供したり、原田脩の小品、特に膨大なスケッチを展示するためのギャラリーアネックス(別館)を増築することが近い将来の課題です。この件は、イベント開催時のトイレ不足の解消や立地上要望の強い宿泊施設の併設などと併せて、総合的に検討してまいります。
このような課題に取り組みつつも、このギャラリーを支えていただく基盤である会員数の拡大に今年度も地道に取り組んでまいります。

 最後に、多くの皆様にご覧頂いている常設展も3期目に入り、作品の選定と展示も益々工夫がなされ一つ一つの絵に対するキャプションも理解を助け、深めるものへと充実して来たと云われています。どうか、お気軽にお越し頂き、原田脩の世界を、ご堪能頂きますようご案内申し上げます。

 尚、このギャラリーは、協力会会員を中心とした有志の物心両面にわたるご支援とボランティア活動で運営されています。一人でも多くの方にご参加頂くと共に、今後ともますますのご協力を賜りますようお願い申し上げます。

以上