2018年2月吉日
館主だより
ギャラリー稲童館主 植田 義浩
アトリエ棟横にある水蓮鉢の厚い氷が昼になっても融けません。今年の冬は例年になく寒さが厳しいようです。寒さのなか柳も桑もすっかり葉を落とし、ギャラリーの窓から池の水面がくっきりと見通せます。ほんの少し氷の張った池には鴨の家族が艦隊を組んで我が物顔で水面を滑っています。冬枯れの景色の中では鴨をはじめ鳥たちの表情がよく見えます。ジョウビタキは人間のすぐそばまでやってきて、何かしら挨拶をしたがっているようですし、モズはモズで存在感を前面に押し出して梢で啼いています。
冬は私にとっては草刈りをしなくてすむ、ホッとする季節です。雑草の繁殖が無く、汗をかかなくてすむこの時期は土木作業や木の植え替えの好機です。今年は溝に石垣を積む作業と桜の植え替えがテーマです。溝の石垣に合わせて鉄砲垣も作りました。石組の仕上げと垣根の出来具合を京都の庭師、浅田師匠に見てもらう予定です。
「本家」ギャラリー稲童としては今年もじっくりと様々なアートの催しに取り組んでまいります。2月11日にはモスクワ音楽院出身で地元みやこ町に居を構えて活躍しているバイオリニスト山中恵理子さんのリサイタル、3月24日は恒例の瀧月忌を開催します。今回の瀧月忌は原田脩の13回忌にあたりますので、簡単な法要と記念餅つき大会をします。白くてまるい餅を原田脩の描く月に見立てて餅を仏前に供えます。
5月14日には世界的なマエストロ佐渡裕さんがギャラリー稲童に来てくれる予定です。超多忙な方なので、確約は出来ませんが、お出でいただける場合には坂田明さんとのトークセッションを予定しています。実現する場合はもちろん会員の皆様に一番にお知らせ致します。
農業部隊が丹精している菜の花畑も春には一面の花盛りになりますし、今年は茶畑のお茶摘みもできそうです。湯布院で伐り出したシイタケ用のクヌギの乾燥もおわり、2月にはシイタケ菌のコマ打ができます。近くのヒノキ林で伐採したヒノキの乾燥と皮むきも終わり、いよいよ茶室(茶小屋)建設も始まります。
野菜つくりの好きな方、土木作業の得意な方、大工仕事のできる方、どうぞ週末に足をお運びください。おかげさまで8年目、今年も張り切って楽しみます。